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例えるならば

僕たちは 受験勉強に打ち勝って 

いい大学に入り

いい会社に入り

いい嫁をもらい

いい家庭を築き

ローンちゃんと返せるようにしたいんだ。

だから その騒がしいやつらをなんとかしてくれ。

とても邪魔だ

うるさいんだ

集中できない

あんなやつらと同じにしないでくれ

同じだなんておもわれたくない。

そんなことで僕の一生が台無しになったら

どう責任を取ってくれるんだ。

クラスの中から そんな声を聞いた先生は

用務員の私を呼んで

あなたは 彼らに拡声器や爆竹を与えましたね。

と面と向かって言うのだ。

私は 先生の目をまっすぐに見て 答えました。

ええ、欲しいというので 与えました。

欲しいわけは 聞かなかったのか?

ええ 欲しいということで ただ、与えたのです。

私は 欲しいわけを知っていました。

そのわけに 共感したから 拡声器や爆竹を与えたのです。

先生にはきっとお見通しだったと思います。

私が共感していたこと。

いい大学に入りたい優等生たちは

こそこそと先生に訴えるものもいれば

3人団結して訴えるもの

用務員もぐるなんだぞ。と言う者もいたそうです。

あちらからも聞いた 

こちらからも聞いた

などと先生は 大げさに言い 私に口を割らそうとするのです。

共感していたから与えた。

そう一言、言えと。

1時間が過ぎたころでしょうか。

私は 謝罪の言葉を言いました。

心のこもってない声で言いました。

軽率な行動で ご迷惑をかけて申し訳ございません。

先生は 外人の校長先生に呼ばれたそうです。

こんな暴動が起こるのは 

君が宿題を十分に与えてないから 時間が出来て 暇をもてあまし

このようなことになるんじゃないかと。

先生は 格好をつけてこういうんです。

僕は今回の暴動は うすうす知っていた。

でも 僕は他の先生のように 宿題を十分あたえて 生徒たちを自由を奪いたくなかったんだ。

僕はそういうの嫌いで学生時代をすごしたからね。

でも 今回 校長先生から 暇が出来ちゃこまるということなら

どんどん宿題を出すつもりだ。

優等生たちは こう言うんだ

僕たちの将来は 先生にかかっている。

先生が辞めさせられることになったら どうなっちゃうんだ。

そんなことは 断固として阻止しなければいけない。

騒がしいやつらを 即刻退学にしてくれ。

でもな やつらにも人生はある。

そんな人生を 僕の一存で 動かせないよ。

そんなことばを並べて格好をつけるところが 私は大嫌いなんだ。

気づいてないとおもうけど

先生は 裸の王様なんだ。

実はね。

男子校であるこの学校では 

みな 普通の顔して みなかげで連絡を取り合い こそこそと嫌なことばかり。

一匹狼がいいと言うわけではないけど

なんなんだ、それ。

自分が悪いことをした 意識はないこともないけど

面白がってやっていた という部分もある。

校長先生がまともに取るとも思っていなかった というのもある。

でも もっともな収穫として

自分のことしか みな 考えてないってこと。

爆竹を与えたことを知って一緒に笑っていた、

あのひとも このひとも。

用務員の私は

今回の件で

人を信じられなくなりました。

もう誰ともしゃべりたくありません。