自動洗髪機

はじめての美容院。

いきなり自動洗髪機に入れられる。

先日ドラム式の洗濯機を買ったばかりの私は、電子音のするボタンを操作するのを見つつ

どうも、なんか、自分が ”センタクモノ”になった気分で

入店10分でもうこのお店には来ぬまい。と誓う。

思わぬ方向より水が飛び出して そのまわりをじわりと洗う。じわりと水が這うような、

一本の線が頭を縦横無尽に駆け抜けるというか。

東京ディズニーランドの何かのアトラクションで膝の裏側をネズミが駆け抜けたことがあったけど

アレに似てます。ネズミか・・・。

予想も付かないその水の出方に なぜか両腕にさぶいぼが走る。

ぞくぞくする。

ぞくぞく。

担当の男子は ちゃらちゃらとしていてピンクのポロシャツを着ていてもちろん茶髪でピアスなんかしてた。

ブレスレットがじゃら。と音を立てた。

あぁ 来るんじゃなかったと後悔した15分後。

彼をあまり見ないようにしよう、しゃべらないようにしようと。

というのもここ5、6年ほどは ずっと頭のはげたおじさんにしてもらっていたのでとにかく慣れないし恐い。

ちらりと顔を見たら、格好とはウラハラにとても可愛い顔をしていることを発見(にやり)

どんな顔かと言うと

陣内をわかくしてつるつるにしたかんじで、長江健二(古)のようなちょっと素朴な感じで

物腰も柔らかくて 背も私と同じくらいでオトコと言うよりも中性的なかんじだった。

知っている人に少し似ていたのと、こういう子をめったに見ることもないので

じろじろと観察。

じろじろ。

他の店員さんは ”おにぎり"みたいな人や ”宅”みたいな人がいたから

私はアタリだったのかもしれない。 それか受付の人の中年用の ”手”かもしれない。

この若陣内、私が今後パーマをあてるのであてやすいように切ってください、というと

「お似合いになるとおもいます」と耳元でいう

そして カラーの色見本を見てこれにしてください、というと

「お似合いになるとおもいます」と耳元でいう

帰りに扉を開けて深々とおじぎして見送ってくれる若陣内に

当初の誓いは少し覆されて まぁ機会があったら行ってもいいかな

ナカイクン 指名しようかなあ なんて おばさんは少し思いましたよ。

まんまと中年用 ”手”にひっかかった。

突然雨になったりなそんな梅雨の日。