えくぼのあのこ

『殺人の門』を読んでいて思い出すのは えくぼのあのこ。

色白のえくぼのあのこ

今の私からすると 考えられないような行動なのだけど

友達のうしろにいるような子だった。だいたいのことは いいなりで別に自分の意見なんてなかった。

だからえくぼのあのこには いいように利用されていたなぁと思う。

どうのこうのではないけど、 よく考えればわかること。

遊ぶ約束をしていたら彼女がピアノの日だったから ピアノ教室で終わるまで待っていたとか

クラスの発表会みたいなもので みんなで放課後作成するのはいつも私の家だったり

聞こえないようなことがあると え、何?と言わないで 

あん?と眉間にしわをよせて不機嫌になるとか

今日は遊べないと言われたらそのまま信じていたけど 

後になって他の子と遊んでいたことが分かったり。

今でもそうだけど 今日あったことをいいことも悪いことも全部家で話すような子だったから

そんな私を母は この子将来だまされる子にならないかしら。と心配だったと思う。

でも 腹が立ったけど彼女のことは全く嫌いというふうにはならなかったんだよなぁー。

いじめられていたというわけでもないし、他にも友達はいたし、それなりに楽しかったし。

でもなんとなく知ってて騙されていたのかもしれないと思う。彼女を観察してたのかも。

今でもあの表情や声、態度を鮮明に思い出せるもの。

たまにあの あん?を使ってしまいそうになるもの。

あのころって友達がすべてだったりするから、仕方なかったのかもしれないなあ、私。

今は臨機応変に。嫌なことはしない。どうでもいいことはしない。面白くなかったら帰る。時間を無駄にしない。自分はこうしたいと言うし こうして欲しいとも言う。 白か黒か。 とても頑固で男らしい。

利用されたり利用したり。なんて言葉は悪いけど 何が正しくて正しくないかを知っていたら、騙されなんかしないし、人を観る心を観る。

お母さん、大丈夫ですよ(笑)

えくぼのあのこがいなかったら 今の私はいなかったかもしれないし。

なんだか今の私の立派な一片を作っているようにおもう、えくぼのあのこ。

私は、えくぼのあのこの一片になっているのかしら。

あのえくぼは 今はしわになっているのかな。。。