11:36 am
父親も恋をする。
ナナとドライブしたまだ梅雨の明けない山陰。ナナがそんなことを話してくれた。ずっと書こうと思っていたのだけど。
父親が赴任先の北の方の支店で入社間もない女性といい仲になってしまったこと。かなりのいれこみようだったらしく、高学年だった子ども心に何となくわかっていたらしいこと。父親は今の私たちの年齢より若い世代の時の話。
その後中学生になりナナは北で暮らすかそれまで住んでいた父母の故郷で暮らすか選択を迫られる。
彼女と妹は故郷を選ぶことになるのだが、思春期・受験期の子供に母親が寄り添い、父親は単身赴任するのが当たり前におもっていた私に衝撃のひとこと。母親は父親と北に残ったと聞いてびっくりする。母親はまたその若い娘と父親のよりがもどることを恐れたらしい。
愛なのか意地なのか。そんなことを私は考えていたけど、よくわからなかった。母親は女だったってことなのかな。母ではなく女であることを選んだというのかな。
ナナが生理になったことも知らないのだから。
男性が妻か子供かどちらか選べ(助けろ)と迫られたとき、妻を選べる男性に好感をもつのだけど、女性の場合どうなんだろうか。
いとこと会ったときも、そんな話になった。父親(私からするとおじさん)には女の人がいたと。
そのときの母親の取り乱しようはすごかったらしい。
美人で可憐で控え目なお嬢様で字も絵も上手くて服のセンスも良くってお料理も上手で…彼女は幼い私に完璧な母で妻でと言う印象を与えた。
ビールをおビールと言うことを小学生の時に彼女から得て、いつか使ってやると思い描いたほどでひそかにこんなひとがお母さんっていいなあ。といつも思ってた。でも祖母(姑)や母(小姑)がお嫁さんの彼女をああ見えてきついのよ、◯子さんて。とよく言ってた。のも聞き逃さなかった。
私はおじさんとおばさんには加山雄三と大原麗子をイメージしており、男らしい夫につくす3歩さがった妻だと思っていた。
完璧なゆえ、男にとっては窮屈な家庭だったのは今の私には分かるけど。
そんなことがあったとは。
いとこは母親の父親に対する態度に興ざめしたらしい。とにかく私は母親のような女にはなりたくない。と思い、父親が逆にかわいそうになったと。
当時彼女も小学生。
ナナもいとこもそんなことを当時誰にも言えず抱えて生きていたとは、生きてきたとは。
ハンバーグまだ?なんて私はドラえもんを見ながらのんきに母親は母で父親は父であることに疑いもなく過ごしていた頃。
普通に見える家族ほど内情はそんなもんなのかも知れない。
あ、どちらの夫婦も今40年以上も夫婦を続けている。諦めなのか忍耐なのか習慣なのか。年金?笑
他にも答えはあるのか。
私には分からないけど。
これを書きながら今週の最高の離婚で真木ようこが子供のころのことを言うのが似ていたことを思い出した。
それを見たから無意識にこれを書きたくなったのかも。ふしぎ。
その後[おビール]は、かつての舅に使いました。