昨日

西のほう

うんと西のほう。

普通電車の人もまばらな車内で

腹巻をまいたおっちゃんに 保険のおばちゃんと間違えられる。

『違います』と

何度言っても喰いついて離れなかった。

そう、わたしは口の上手い 保険のおばちゃん。

今日はその手でいこう。

駅を降りたら 無人駅だった。

ホームも時刻表も寂しかった。

でも 照りつける太陽がにぎやかで

この駅はぷらすまいなす ゼロになってる。

近くに海もあるのだと母が教えてくれた。

遠くに見えるのは

いえ、近くに見えるのは

青々とした稲の苗。

覗き込んで おたまじゃくしでもいないかなぁと。

でもこの太陽のなかだと

熱湯風呂に入ってるようになるのでは・・・。

それは見たくないのでしゃがみこむのはやめた。

踏切・・・。

これにいらついて電車をのがしてしまうことがあるのだろうか。

秋には稲穂になるのを、それを、見ることができるのか。

夏の太陽ともくもくした雲と野球部の高校生が乗っている

電車だった。

保険のおばちゃんは しゃべりすぎた。

昨日の画像