11月の憂鬱

ノーベンバーブルー

11月は嫌い

なぜか中学時代の部活の帰り道を思い出す。

あの坂をだらだら幼なじみと帰る。

さっきまで明るかった空は

すぐに暗くなって寒くなって

体操服のジャージから土のにおいがして

帰ったら塾に行かないと行けないのがまた億劫

またこの幼なじみと待ち合わせて

床のひんやりさを思い出す。

コタツに入っていたいのに

そろそろ息が白くなるのに気がつくと

その想いもピークを迎える。

早く11月が過ぎてほしいと願う

足の指が冷たい

会社からの帰り道もあの頃となんら変わりない

だらだらと落ちながら帰る

あの頃よりももっと現実的で良からぬことを考える

夢も希望もないって思ってしまうほど

夜の空ももちろんのこと

朝の空も

昼の空も

灰色に見えてしまうのはきっと私だけ。

11月を呪いながら下を向いて歩く

11月を呪いながらじっと手を見る

11月を呪いながら布団をかぶる

手が荒れている。

心が荒れている。

小学生男子、暗くて見えないよ。

ボール遊びはやめて早く家にお帰りなさい。

暗いのよ、空が。

寒いのよ、風が。

出口がないかと思うトンネルぐらい11月は長く苦しい。

ノーベンバーブルー

あと少し。