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新しい職場は 住宅地の中にあります。

教会、ダイエー、小学校、病院、幼稚園、お米屋さん、床屋さん、街の電気屋さん・・・・。

地下街もないし、19番出口もない。お弁当も売りに来ないしスーツを着たサラリーマンも見ない。

自転車の前と後ろに子供を乗せたお母さん、老犬を散歩させる老人、少し古い街の色はグレイで

毎朝トイレの窓から隣のトタン屋根の上で寝ている猫を見るのも日課になりました。

(雨の日以外はいつもいます)

私の仕事や心とは真逆で、ゆっくりと穏やかに時間が流れているようです。

朝は8:45からなので 8:30前に小学校の前を通ると

元気に校庭で遊ぶ子供達を横目で。

私はギリギリに学校に行くような子供だったので 朝から元気に遊んだ記憶がありません。

鉄棒、バスケットのゴール、あんなに小さくて低いものだっけ。

こんなに寒いのに半袖の子供がいる。

お昼ごはんを買いに出ると 給食のにおいがする・・・。

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小さい会社で、社長が近い。そう思いました。

みんなが ガイコツめが 社長がどーだこーだとかげ口や愚痴を言いますけど

正直 優等生でもなんでもないですけど 

社長の事をどうのこうの言える立場じゃないと思っていますし 

こんなどこの馬の骨だか分からない私を雇ってくれてと感謝しています。

ガイコツめですが 辞める と言っておいて覆しました。

彼女、社長までその話が行ってないと思っているのでしょうか(行ってます。小さい会社ですから)

1度 「辞める」 と言うと周りの心象ってやはりよくありません。

みんなが 彼女を見る目に赤い炎のようなものを見ます。

そう易々と発する言葉でもないと思います。

私の仕事は 社内で私とガイコツめと新人2人で担当しています。

基本的に代わりはいません。

そんな中で ガイコツめに今後続けるのなら前向きに2人で協力してがんばりましょうと

細いガイコツめの手と握手を交わし、ようやくそうなりはじめていたところ

意地悪な 青木さやか が出てきました。

さやかは、私達にあれもこれも作成をする時期であるといい

(もちろんそれは私達の仕事です。ですが引継ぎもなしではじめてのこと、手探り状態です)

間に合わない、出来てない、間違いが多すぎると 大騒ぎしてそんなやりとりを社長にまでc.c.で入れています。

もういい、私がやる。そう言って自分でやってしまうのです。

事実 間に合わないし、出来てないし、間違いも多いです。はい。

何も知らされずに私たちは 

子供の声の聞こえるグレイの街で 

ダイエーに買い物に行く主婦の街で

必死に分からないけど分からないなりに

誰にも聞けず ガイコツめと泣きそうになりながらやっていました。

とおの昔にそれらは出来上がっており 提出されているのです。

さやかは あっちでさささと仕上げてしまっているのです。

そして できないやつら、つかえないやつら。そう言うのです。

こんなことが ガイコツめも私も何度か続いています。

ガイコツめは 私より年上でプライドもあるんでしょう。

抵抗しています。またこれが波紋を呼びそうです。

あんた、それ覚悟の上で言っている言葉なん?と聞いたら

笑うので、笑い事ちゃうで。辞めるならやめるとはっきりしてくれ。

と言ったら気を悪くしたようです。

ガイコツめには 私、さやか以上にきついことを言っていますね・・・。

私は ぐっと我慢の子でいます。

ここは、この時期は これが賢い方法であると私は思っています。

ひと昔前の私なら ぜったい騒いでましたし言い訳してました。

今の私は 感謝 謙虚 冷静 です。

ずっと仕事をしてきて 仕事ができない。なんて言われたことありません。

私がやる仕事なんて できない。なんてことがないほど、ほんとただの事務仕事ですからね。

言葉もわからず 順序もわからず 何をどう抵抗していいかわからず

今は ただひたすらすみません。ごめんなさい。分かりません。でいます。

心の中ではね、そんなことちっとも思っていませんけどね。

さやかは 私のこと多分 ぼーっとしたおとなしい人、なんて思ってるようです。

私がこの仕事への熱意は 『みちのく一人旅by山本譲二』 のようなものなんだとは 知らないわな。

でも仕事を完璧に覚えたら もう、さやかには何も言わせない。