5:20 pm

木の影からこっそりと覗き見

踏み台を持って来て 背伸びをして窓からもちらっとようすをうかがい

目は瞬きさえも許されず 口はぱくぱくと鯉のようになり

それは実は酸欠で

何か盗みたいと思う。

ときには じぃっと我慢して足音をきいていたり

耳をすませて 古い時計の音をきいてみたり

古いドアを開けてみたり

その記憶の中に自分を入れてみたり

時間旅行のおともに連れて行ってもらいたくて追っかけてみたり

接近するときは メモ帳のためしがきの ”あ”みたいなさりげなさで

盗んでみたい言葉の数々。

盗んでみても手のひらで消えていってしまうそんな言葉たち。

お慕いしていた 彼女と彼が

実は夫婦だったというすばらしく 愛しいような衝撃の事実に

にしむらコーヒーのせいではなく なかなか寝付けなかった。

難しい数式が解けたような 法則を生み出したような そんな気持ちで。

あの独特の2つの空気が!

まぁ!なんと! そう思わずにはいられなくて。