猫の晩餐会場

飲んで帰って遅くなったとき

駅からの家までの間

猫の晩餐会場がいくつかある

この時間でないと猫達は集まってこないみたいだし

いつも同じメンバーなのかも分からないけど

きょうだいみたいな子も参加していて

なんかいいなぁと思う。

猫たちはその時間がくるまで辛抱強く体を小さくして待っていて

暗い中にうっすらと浮かび上がる

こんもりとした塊がたくさんあって

私は、夜の景色として見ている。

そりゃぁ、それはそれは

いろいろと問題もあるんだろうけど、

習慣ってすごいな。

その日、私は 〆に食べ切れなかった鯛めしを

折箱に詰めてもらって紙袋に入れていたのだけど

それを敏感に感じ取ったのか

塊に近づいていっても

いつも逃げる猫が逃げなくてじっとこっちを見る。

本当はちょっとくらい鯛めしをあげたかったけど

とっても美味しくて私が独り占めしたいので

あげるわけにはいかないから にらめっこを続けた。

私は黒猫が好きで

その次に牛柄の猫が好きだけど

その子は白にグレイのような模様があって顔も小さくて

とても上品な猫できれいだった。

手を伸ばして本当に連れて帰りたいと思ったけど

手を伸ばしたら車の影に隠れてしまった。

まぁ猫とはいつもそんな繰り返し。