さっちゃん

小百合と書いて さっちゃん。

小さいユリだなんて なんてかれんな名前で可愛い子なんだと思った小学3年生の時の転校生、さっちゃん。

私の家のななめ裏の家に引っ越してきた。

さっちゃんは2Fのどのお部屋なのかなぁとよくのぞいたものだ(←ストーカーか)

お父さんは社長でお母さんはとても美人で 2人のお姉さんがいたのだけれど、

すぐ上のお姉さんは さっちゃんの10倍キレイで、一番上のお姉さんは さっちゃんの10分の1の不細工さだった。

小学2年生の時の転校生の私とはぜんぜん違うと、幼い心に憧れと嫉妬心が入り混じった。

そんな気持ちで なんとなく幼なじみぽいようなそうでないようなさっちゃんとは中学3年の時おなじクラスになり 、彼女は水色のネクタイのステキな高校に進学。その後名実共にお嬢様短大へ。有名企業に勤めたかと思うと22歳で結婚。国立大卒のエリートだ。きっと彼女をこれ以上働かせてはいけない、他の誰かに取られてしまうと思っての結婚だろう。私もそう思う。このときはその彼への同情心と憧れと嫉妬心と諦めのような納得が入り混じった。

同窓会があったけど2人の子供がいて行けません。とのこと。当時26歳くらいだったと思う。私をふくめ周りには結婚の ”け”の字もなかったし、子供なんて別世界のお話だった。その後偶然に電車の中で出会った。幼稚園児と3歳 そんなかんじの2人の男の子を連れており、そこらへんの子供とはちょっとちがう上品な子供達で今時の小さな可愛い顔をしていた。働く、なんてもうどこかへ置き忘れたような彼女だったし裕福な暮らしが伺え、

また私は、憧れと嫉妬心と納得とが入り混じりながら、普段また今度がない人にはまたね、なんて言わないのに

またねと言った。

それからさっちゃんのことは 10年以上 思い出さなかった。

今日、中学時代の友達のブログでさっちゃんという名前を見つけた。あの、さっちゃんだ。

年中さんの子供がおり幼稚園の役員会で会ったそうだ。

『ねんちゅうさん ??』 もう一度つぶやいてみた。

『”ねんちゅうさん”』

そう、彼女はあれからもう1人子供を産んでいた。

10年とはそういう年月。

まぁ私の年齢ならここが標準的子供年齢。

電車で会った上の男の子は、もう中学生という。

本当に幸せな別世界の人間だ・・・。

久々に あの憧れとあの嫉妬心とあの諦めに似た納得と

なんともいえない なんともいえない敗北感ちっくも入り混じったものを味わった。

私はこの複雑な気持ちを誰にもいえないので日記に書いてみた。

あの小学3年生のときから30年近く経った今でも、さっちゃんに対する気持ちは変わらない。

私は、成長してないし醜いな・・・。

参ったな。ほんと。